【2026年版】雇用保険の給付内容|失業給付・育児休業給付・教育訓練給付をわかりやすく解説

📅 この記事は、2026年9月時点の雇用保険制度にもとづいています。

雇用保険の給付内容

雇用保険は「失業したときの保険」というイメージがありますが、実は育児休業・介護休業中の給付や、スキルアップのための教育訓練給付など、現役世代が活用できる給付が豊富です。この記事では雇用保険の全給付をわかりやすく解説します。

① 失業給付(基本手当)

仕事を失い、求職活動をしている期間に支給される給付です。ハローワークへの申請が必要です。

基本手当(失業給付)

離職前の給与の約50〜80%を一定期間支給

給与の約50〜80%(低所得者ほど高い割合)
条件内容
受給資格離職前2年間に12か月以上の雇用保険加入(特定受給資格者は1年間に6か月以上)
支給日数年齢・加入期間・離職理由により90〜360日
待期期間・給付制限申請後7日間の待期(自己都合の場合は、待期のあと原則1か月の給付制限。離職歴などにより例外あり)
1日あたりの上限額(2026年8月1日改定)29歳以下:7,450円 / 30〜44歳:8,270円
45〜59歳:9,110円 / 60〜64歳:7,830円

💡 自己都合退職の給付制限は原則1か月

2025年4月1日以降の自己都合退職では、給付制限が「2か月」から原則「1か月」に短縮されました(申請後7日間の待期は別にあります)。ただし、過去5年間に自己都合退職をくり返している場合(3回目以降)は3か月になります。反対に、離職前1年以内や離職後に一定の教育訓練を受けた場合は、給付制限がなくなることがあります。また、自己都合でも「正当な理由のある離職」(ハラスメント・病気・家族の介護など)に該当すれば給付制限なしになる場合があります。

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② 育児休業給付金

子どもが生まれ、育児休業を取得している間に受け取れる給付です。男女ともに対象です。

育児休業給付金

休業開始180日間は給与の67%、以降は50%

期間支給額
育休開始〜180日目休業開始前賃金の67%
181日目以降休業開始前賃金の50%
支給期間子どもが原則1歳になるまで(最長2歳まで延長可)

手取りベースでは社会保険料・税金が免除されるため、実質的な手取り減は比較的小さく抑えられます(給与の8割程度が確保できるとも言われます)。

💡 2025年4月〜育休給付が拡充されています

  • 出生後休業支援給付金:両親ともに14日以上の育休を取得すると、子の出生後の休業について最大28日間、給付率が13%上乗せされ80%に。社会保険料の免除と合わせると手取りで実質10割相当になります
  • 育児時短就業給付:2歳未満の子を育てるために時短勤務をした場合、時短勤務中の賃金の10%が支給されます

男性の育休取得も積極的に推進されています。

③ 介護休業給付金

家族の介護のために仕事を休む場合に支給されます。

介護休業給付金

休業前賃金の67%を最長93日分支給

項目内容
支給額休業開始前賃金の67%
支給期間対象家族1人につき通算93日(3回まで分割取得可)
対象配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫

④ 教育訓練給付

スキルアップのために指定講座を受講した場合、費用の一部が戻ってくる制度です。

教育訓練給付

受講費用の20〜80%が戻る(最大64万円/年)

種別補助率上限対象例
一般教育訓練20%10万円簿記・TOEIC・語学など
特定一般教育訓練40%
条件により最大50%
20万円
(最大25万円)
ITパスポート・介護職員初任者研修など
専門実践教育訓練50%
条件により最大80%
40万円/年
(最大64万円/年)
看護師・社労士・MBA・第四次産業革命スキルなど

※特定一般教育訓練は、修了後に資格を取って就職するなどの条件を満たすと50%(上限25万円)になります。専門実践教育訓練は、同じ条件で70%(年56万円)、さらに修了後の賃金が受講前より5%以上上がると80%(年64万円)になります。いずれも2024年10月1日以降に受講を始めた場合が対象です。

⑤ 加入条件と今後の改定

雇用保険はパート・アルバイトも対象です。以下の条件を満たせば加入義務があり、給付も受けられます。

📋 現行の加入条件(2026年現在)

  • 週20時間以上の所定労働時間
  • 31日以上の雇用見込みがある
  • 学生でないこと(例外あり:卒業後就職見込みの人など)

条件を満たしていれば、パート・アルバイト・派遣社員も会社が加入手続きをする義務があります。自分が加入しているか不明な場合は給与明細や会社に確認しましょう。

📝 今後の改定:2028年10月〜週10時間以上に緩和予定

2028年10月施行予定の雇用保険法改正により、加入要件が「週10時間以上・31日以上の雇用見込み」に緩和される予定です。

  • 現在「週20時間未満」で加入できていない短時間パート・アルバイトも対象になる見込み
  • 適用拡大により、失業給付・育児休業給付なども受けやすくなる
  • 保険料負担(給与の約0.5%)は新たに発生するが、給付の充実とのトレードオフ

よくある質問

Q. パートやアルバイトでも雇用保険に入れる?
A. 週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば加入義務があります。加入していれば、失業給付や育児休業給付なども対象になります。自分が加入しているか不明な場合は給与明細や会社に確認しましょう。
Q. 転職活動中でも失業給付はもらえる?
A. 失業給付は「就職する意思と能力があり積極的に求職活動をしている」状態が条件です。受給の手続き後に就職が決まった場合、内定の日で一律に止まるわけではありません。条件を満たせば、就職日の前日まで基本手当を受けられます。内定が出たら、就職日の前日までにハローワークへ届け出て、それまでの日数分の認定を受けましょう(採用証明書などが必要です)。また、基本手当の残日数が一定以上ある状態で早く就職した場合は「再就職手当」がもらえます(残日数に応じた金額)。
※待期期間(7日間)や給付制限期間中の日は支給されません。手続きの詳細はお住まいの地域のハローワークでご確認ください。
Q. 育休中は保険料も免除される?
A. はい、育児休業中は本人・会社負担分ともに健康保険料・厚生年金保険料が免除されます(雇用保険料は免除されません)。この間も年金加入期間としてカウントされます。

💡 あわせて知っておきたい:傷病手当金(健康保険)

業務外の病気・ケガで働けなくなった場合は、雇用保険ではなく健康保険の「傷病手当金」が適用されます。

  • 支給額:標準報酬日額の3分の2
  • 支給期間:通算1年6か月(2022年1月〜通算制に変更)
  • 条件:連続4日以上働けない状態(業務外の傷病に限る)

労災(業務中・通勤中のケガ)は別途、労災保険の休業補償給付(給付基礎日額の60%+休業特別支給金20%)が適用されます。

📋 雇用保険 給付まとめ

  • 失業給付:離職前給与の50〜80%、90〜360日分
  • 育児休業給付:給与の67%→50%(最長2歳まで)
  • 介護休業給付:給与の67%、通算93日分
  • 教育訓練給付:受講費の20〜80%(最大64万円/年)
  • 加入条件:週20時間以上・31日以上の雇用見込み(パート・アルバイトも対象)
  • 2028年10月〜:加入要件が週10時間以上に緩和予定(雇用保険法改正)
  • 病気・ケガで休業の場合は健康保険の傷病手当金(通算1年6か月)が別途適用

▶ 厚生労働省「雇用保険制度」公式ページ