「地震保険って高いの?」「本当に必要?」という疑問をお持ちの方は多いと思います。地震保険は火災保険とセットで加入する保険で、地震・噴火・津波による損害を補償します。
この記事では、地震保険の保険料相場や補償の仕組みを、戸建て・マンション別にわかりやすく解説します。
地震保険と火災保険の違い
火災保険は火災・台風・水漏れなどを補償しますが、地震・噴火・津波による損害は補償されません。これらをカバーするには、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。
💡 地震保険の基本ルール
- 火災保険に付帯する形でしか加入できない(単独では加入不可)
- 保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で設定
- 目的は「生活再建の支援」であり、被害前の状態への完全復旧ではない
地震保険の保険料相場
上の金額は火災保険とあわせた目安です。保険料は地域(都道府県)・建物の構造・保険金額によって大きく変わります。地震リスクが高いエリアほど保険料は高くなる傾向があります。
地震保険のみの保険料(目安)
地震保険の保険料は各社共通で、国が定めた料率で決まります。保険金額1,000万円あたり・年間の保険料の目安は次のとおりです(2022年10月改定の基本料率)。
| 建物の構造 | 年間保険料(1,000万円あたり) |
|---|---|
| イ構造(鉄骨・コンクリート造などの非木造) | 約7,300円 〜 約27,500円 |
| ロ構造(木造など) | 約11,200円 〜 約41,100円 |
最も安いのは地震リスクの低い県、最も高いのは東京都・千葉県・神奈川県・静岡県です。参考として、主な都道府県の料率は次のとおりです。
| 都道府県 | 木造(ロ構造) | 非木造(イ構造) |
|---|---|---|
| 東京・神奈川・千葉・静岡 | 41,100円 | 27,500円 |
| 埼玉 | 41,100円 | 26,500円 |
| 大阪・宮城・福島 | 19,500円 | 11,600円 |
| 北海道・京都・兵庫・青森・岩手・秋田・山形 | 11,200円 | 7,300円 |
※保険金額1,000万円あたりの年間保険料(割引なし)。契約金額600万円なら上表の0.6倍が目安です。
保険料が安くなる割引制度(最大50%)
建物の耐震性能などに応じた割引があり、条件を満たせば保険料を大きく下げられます。割引は重複して使えず、最も割引率の高いもの1つが適用されます。
| 割引の種類 | 割引率 | 条件 |
|---|---|---|
| 耐震等級割引 | 10〜50% | 耐震等級3で50%、等級2で30%、等級1で10% |
| 免震建築物割引 | 50% | 免震建築物の認定を受けた建物 |
| 耐震診断割引 | 10% | 耐震診断で現行の耐震基準を満たすと確認された建物 |
| 建築年割引 | 10% | 1981年6月1日以降に新築された建物 |
割引を受けるには、住宅性能評価書や耐震診断書などの確認書類の提出が必要です。心当たりのある方は、契約時に保険会社へ確認してみましょう。
補償額はどのくらい出る?
地震保険では、損害の程度によって支払われる保険金の割合が決まっています。
| 損害の程度 | 支払われる保険金の割合 |
|---|---|
| 全損 | 地震保険金額の100% |
| 大半損 | 地震保険金額の60% |
| 小半損 | 地震保険金額の30% |
| 一部損 | 地震保険金額の5% |
そもそも、地震保険の契約金額(地震保険金額)は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲でしか設定できません。その上で、上の表のように損害の程度(小半損なら30%、一部損なら5%など)に応じた割合が支払われます。つまり「火災保険の一部までしか掛けられず、さらにそこから損害区分で減額される」ため、受け取れる金額は思ったより少なくなりやすい点に注意しましょう。
例えば、地震保険を1,000万円で契約していた場合、全損なら1,000万円、小半損なら300万円が支払われます。実際には「小半損」や「一部損」と認定されるケースも多いため、期待する補償額と実際の受取額に差が出ることを知っておきましょう。
地震保険は、あくまで「生活再建の支援」を目的とした制度です。そのため、損害の全額を補償する仕組みではない点を理解しておきましょう。支払い区分の詳しい認定基準や、建物・家財それぞれの補償の仕組みは、地震保険はどんな保険?補償内容と支払いの仕組みで解説しています。
払う保険料に見合うかを考える
ここまでの金額をふまえると、地震保険は「払う保険料に対して、受け取れる額が限られる」保険だとわかります。例えば東京の木造住宅で1,000万円の契約なら年間41,100円、10年で約41万円の負担です。一方で一部損なら受取額は50万円にとどまります。
だからこそ、地域の地震リスク・建物の構造・貯蓄額とのバランスで判断することが大切です。どんな人が加入を検討すべきか、判断の考え方や注意点は、地震保険は本当に必要?加入を判断するための考え方と注意点で詳しく解説しています。
地震で被災したとき申請できる国の災害補償
大きな地震で住宅に被害が出た場合、地震保険とは別に、国や自治体に申請することで受けられる公的な支援制度があります。主なものは次のとおりです。
| 制度 | 内容(目安) |
|---|---|
| 被災者生活再建支援制度 | 住宅が全壊などの大きな被害を受けた世帯に、被害程度と再建方法に応じて最大300万円(基礎支援金+加算支援金) |
| 災害救助法の応急修理制度 | 居住に必要な最低限の応急修理費用を自治体が負担(半壊・一部損壊などが対象) |
| 災害弔慰金・災害障害見舞金 | 災害で家族を亡くした遺族へ弔慰金、重い障害が残った方へ見舞金 |
| 災害援護資金(貸付) | 被災した世帯の生活再建のための資金を低利で貸付 |
| 税金・保険料の減免 | 所得税・住民税・国民健康保険料などの減免や猶予 |
💡 「公的支援+貯蓄+地震保険」で考える
これらの公的支援は、申請しないと受けられないものが多く、また生活の立て直しを下支えするもので、住宅の再建費用を全額まかなえるものではありません(被害認定の区分によっては対象外・少額のこともあります)。金額や条件は災害の規模や自治体によって変わるため、被災時はお住まいの自治体の窓口で確認しましょう。
公的支援・貯蓄・地震保険の3つを組み合わせて、どこまで備えるかを考えるのがおすすめです。
よくある質問
まとめ
地震保険は「全員必須」ではなく、住んでいる地域のリスクや家計の状況に応じて判断することが大切です。特に地震リスクの高いエリアや、古い家に住んでいる方にとっては、生活再建の大切な備えになる可能性もあります。
一方で、地震保険は補償額に対して保険料が高めの傾向があります。国や自治体の公的な支援制度も視野に入れたうえで、貯蓄で備える部分とのバランスを考えて選ぶとよいでしょう。
まずは現在加入している火災保険の内容を確認し、地震保険が付いているか、自分にとって必要かどうかをチェックすることから始めてみましょう。あわせて補償内容を見直すのも大切です。